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高齢者施設の種類と医療

[2023.12.04]

今回は、高齢者施設についてです。

 

みなさんのご両親はお元気ですか?

 

自分の祖父母は現在、有料老人ホームで暮らしています。

 

まだ先のこととは思っていますが、あと20年30年したら自分の両親は高齢者施設に入所することになるかもしれません。

 

その時は自分が主体となって施設を探し、入所の手続きなどを行う必要があります。

 

高齢者施設には様々な種類があり、サービス内容や料金は千差万別です。

 

各施設の特徴や違い・選び方などは、わかりやすくまとまっているページを散見しますのでそちらを参照いただくとして、今回は「医療や訪問診療の観点から」各施設にどのような違いがあるのか解説していきます。

 

介護施設のイラスト

 

各施設の違い

まず高齢者施設には、全部で10ほどの種類があります。

 

公的施設か民間施設か、受けたいサービスは何か、介護メインか医療メインか、利用料金やその形態などによって選ぶほか、介護度によって入居可否が決められていたりもします。

 

民間施設では入居時に一時金を支払う必要がある施設があったり、自ら解約しない限りは契約が保証される施設がある一方で、介護度や必要な医療によっては退去しないといけない施設もあります。

 

入居時一時金は決して安くありませんし、退去後の行き場所を再度検討することになるので、各施設の違いや特性をよく理解しておく必要があります。

 

各施設の医療の違い

各施設の、医師や看護師の配置義務、訪問診療が入れるかどうかをまとめてみます。

 

公的施設

  医師配置義務 看護師配置義務 訪問診療可否
特別養護老人ホーム あり(非常勤可) あり 原則不可
介護老人保健施設 あり(常勤) あり 原則不可
介護医療院 あり あり 原則不可
ケアハウス なし 施設による 可

 

民間施設

  医師配置義務 看護師配置義務 訪問診療可否
有料老人ホーム なし 施設による 可
サービス付き高齢者住宅 なし 施設による 可
グループホーム なし なし 可

 

医師の配置が義務付けられている施設には原則、訪問診療が入れません。

 

ある意味当たり前かもしれませんが、訪問診療という外部の医療機関ではなく、決まっている専属の医療機関や医師に診てもらってねということですね。

 

タブレットを使う人のイラスト(男性医師)

 

医療の濃厚度

では、特養や老健などのように医師の配置が義務付けられている専属の医療機関・医師による診療(前者という)と、有料老人ホームやサ高住のように医師の配置義務がなく、外部の医師が訪問診療という形で診療する(後者という)のとではどのような違いがあるのでしょうか?

(ここからは多少私見が入りますのでご注意ください。)

 

結論から言うと、提供可能な医療の濃厚度では「入院>後者(訪問診療)>前者」となります。

 

いろいろな表情の入院中の人のイラスト(おばあさん・笑顔)

 

① 前者について

前者、特に特養は、医療より介護に重きが置かれていることもあり、入所者100人に対して配置義務医師は1人です。

 

基本的にはいつものお薬を継続しつつ、あまり定期検査はせず、万が一何かあったら対応、濃厚な医療が必要になった場合は入院医療機関へ搬送、という具合です。

救急車のイラスト(斜め)

看護師も原則24時間常駐ではないため、吸痰やインスリン注射など看護師による処置は日中でないと受けることができません。

 

これは良い悪いではなく、医療体制としてそうなっている、ということです。

 

患者さん100人に対して医師1人では、何から何まで対応することはできないことは想像に難くありません。

 

また、診療報酬体系の問題もあり、そのような医療体制となっています。

 

② 後者について

それに対して後者の訪問診療は、柔軟な対応が可能です。

 

定期の訪問診療の予定は決めた上で、体調の変化があれば患者さんやご家族の希望に合わせて追加で訪問ができる上、こまめな内服調整や、患者さんの状態に合わせて血液検査を行います。

 

有料老人ホームやサ高住の各施設の許容度にもよりますが、体調不良で食べられないときの水分補給の点滴、肺炎に対する点滴抗生剤治療や、特にもう病院には行かないと決めている患者さんの場合には最期まで責任を持って訪問診療で対応が可能です。

 

ベッドで点滴をしている患者のイラスト

 

特養も原則看取りに対応していますが、最期の苦痛緩和のお薬のこまめな調整や酸素の治療などは訪問診療のほうが得意でしょう。

 

有料老人ホームは24時間看護師が常駐している施設もあり、そのような施設だと夜間も看護師による医療処置を受けることができます。

 

このように、施設その場には常駐していませんが、機動力のある訪問診療・訪問看護により濃厚な医療が提供できるシステムになっています。

 

当然ですが、医療面では、濃厚な医療提供を専門にしている「入院」にはかないません。

 

訪問診療でも、より迅速かつ十分な医療を受けたい希望のある方には、病状によっては病院へ行ってもらうこともあります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、医療の側面から各施設の違いについて解説してみました。

 

医療は高齢者にとって大切な側面である一方で、一側面に過ぎません。

 

濃厚な医療を必要とせず介護がメインという方、経済状況を優先したいという方には有料老人ホームやサ高住における訪問診療より、特養など公的施設のほうが向いているかもしれません。

 

また、必要な介護や医療の内容によって各施設、受け入れ可能かどうかがだいぶ変わってきます。

 

入居にあたってはケアマネージャーさんともよく相談する必要があるでしょう。

ケアマネジャーのイラスト(女性)

 

そして、身体の状況は刻一刻と変化します。

 

一度入居した施設には長くお世話になりたいところですが、その時々の状況で、どんな施設がベストか流動的に考える必要があるかもしれません。

 

最後に、各施設の簡単な説明を載せておきますので、参考まで。

 

 

公的施設:

  • 特別養護老人ホーム

    要介護3以上の高齢者に対して、生活上のお世話(介護)やリハビリを行う

    入居待機者が多い(入居まで順番待ち)

  • 介護老人保健施設

    病院と自宅の中間的な位置づけ

    要介護者が在宅復帰を目指す施設で、入居期間は原則3~6ヶ月

  • 介護医療院

    要介護者が長期療養・生活を行うための施設

    介護に重きを置く特養と比べてより医療に重きが置かれ医療体制が充実している

  • ケアハウス

    身体機能低下があるが家族の援助が受けられない高齢者に対して、低額で食事などのサービスを受けられる施設

 

民間施設:

  • 有料老人ホーム

    介護サービスがついていたり、外部の介護サービスを利用できる

    利用権を得るために入居時に一時金を支払う

  • サービス付き高齢者住宅(サ高住)

    安否確認や生活相談がメインのバリアフリー住宅で、介護サービスは内包していない

    賃貸借契約のため、自らの意思以外で退去する必要がない

  • グループホーム

    認知症高齢者が共同生活を送る住宅

 

 

 

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