高血圧ガイドラインが新しくなりました
年明け早々、松戸でも雪が降りましたね。
毎日寒いですね・・。
引き続き体調に気を付けつつ、もしもの雪道も安全運転で!訪問診療に携わって参ります。
本年もよろしくお願いいたします。
新年1回目のコラムはみなさまご存知、人によっては耳が痛い?高血圧についてです。

高血圧ガイドラインが新しくなりました!
「血圧の基準は年齢+90ですよね?」
去年、何人かの方にこういう質問をされました。
これが本当だとすると、80歳の血圧は170mmHg以下でOKということになってしまいます。
高血圧の具体的な数値についてまだ浸透しきっていないんだなと感じます。
さて、2025年8月に高血圧治療のガイドラインが新しくなりました。
前回のコラムは2019年度版を元にしていたので、2019年版からの変更点をメインに簡単にまとめてみます。

ここが違う!変更ポイント
1. 全年齢・合併症にかかわらず 基本の目標を統一
・診察室血圧:130/80mmHg未満
・家庭血圧:125/75mmHg未満
※ ただし、副作用や個々の事情を見て調整
2019年版では年齢(例:75歳以上)や合併症のありなしで目標が異なっていたものが撤廃され、目標値がわかりやすく統一されました。
覚えやすくて良いですね。
高齢者でも130/80mmHg未満を目指すことで、脳卒中や心筋梗塞のリスクが減少することが近年の研究で分かっています。

ただし、以下の方は目標を高めに設定することもあり、ガイドラインでも、患者さん個人個人において「個別の目標を立てるように」という点を強調しています。
2. 血圧を下げすぎない方がいい人
・高齢者(特にフレイル・要介護状態)
血圧を下げすぎると脳や全身への血流が不足しやすく、立ちくらみやふらつきの症状が出ることがあります。
・立ち上がると血圧が下がる人(起立性低血圧)
薬でさらに下げると 失神・転倒リスクが増え、危険です。

・脳梗塞や狭心症・心筋梗塞になったことがある人
脳や心臓への血流が低下すると危険です。
・腎不全の人
腎血流が低下することで腎機能が悪化することがあります。

・体が小さい・痩せ型で副作用が出やすい人
少量の薬で強い効果が出ることがあります。
3. 早めの治療開始判断と再評価!
2019年版では、生活習慣改善の後に薬物治療を考える流れがありましたが、2025年版では 「約1か月以内に治療開始かどうかを判断しましょう」 となっています。
これは特に130/80mmHg以上、かつ脳梗塞・心筋梗塞のリスクが高い人に対してです。
脳梗塞・心筋梗塞リスクが高い人とは、
- 65歳以上
- 男性
- 喫煙者
- 脳梗塞・心筋梗塞になったことがある
- 糖尿病や脂質異常症、心房細動、慢性腎臓病がある
のような人をさします。
収縮期血圧が120mmHg台程度の場合も要注意です。
生活習慣を改善して3-6ヶ月以内に再度、医療機関を受診することが勧められています。

4. 家庭血圧を最優先に!
以前から「家庭血圧の測定」は勧められていましたが、2025年版では「家庭血圧こそ 診断・治療の中心になるべき血圧」という位置づけがより強調されています。
その理由は大きく2つあります。
1つ目は、診療室では様々な影響を受けやすく、いつもの血圧が反映されにくいからです。
2つ目は、「起床直後・朝の時間帯」の血圧上昇が、脳卒中や心筋梗塞のリスクと関連があることが明らかになってきたからです。
「自分は大丈夫だろう」と思わずに毎日血圧を測るようにしてみましょう。
家庭血圧の測り方については以前のコラム(2人に1人は高⚫︎⚫︎?!)を参考にしてみてください。
5. 生活習慣の改善を、より心がけましょう!
薬に頼ることなく、国民全員が「自分ごととして」血圧管理をするようになってほしいとの思いがこもったガイドラインになっています。
こちらも以前のコラム(高血圧の原因と生活習慣)を参考に、気を付けてみてください。
・減塩:−2〜6mmHg
・減量:−1mmHg/kg
・運動:−4〜9 mmHg
・節酒:−2〜4 mmHg
個人差はありますが、それぞれ気をつけることで、このくらいの降圧効果が期待されています。
また、以前にはなかった、スマホアプリなどのデジタル技術を使った血圧管理についても、今回のガイドラインには記載されています。

興味がある方は調べてみてください。
いかがでしたでしょうか。
歳をとっているから・・こんな持病があるから・・血圧が高くても大丈夫、と自己判断するのは危険です。
一人一人の血圧目標値、治療方針は違います。
かかりつけ医がいる人は是非今回の内容をもとに相談してみてください。
寒いので、ヒートショックにもお気をつけください。
それでは、また。

