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診療報酬改定 2026〜訪問診療料金の値上がりは?〜

[2026.03.29]

さて今月、次期診療報酬改定について国から発表がありました。

 

6月より施行され、診療費が少し変わります。

 

平均して3%程度、これまでと比べて値上がりします。

 

 

訪問診療は、外来診療に比べ、費用がかかりますが、どの程度変わってくるのか、わかりやすく解説していきたいと思います。

 

 

保険診療・国民皆保険

大前提として、訪問診療も外来診療も、保険診療です。

 

保険診療における診療費は、行った処置や検査、治療等に応じて、国によってあらかじめ料金が定められています。

 

各医療機関が自由に価格を決めているわけではありません。

 

これをすると何点ね、というのが決まっており、都度、実施した診療内容を入力し、合計点数が出ます。

 

基本的には1点は10円であり、点数を10倍した料金が診療費(全額)になります。

 

1割負担の人であれば、その1割を窓口で支払い、残りの9割は保険で支払われるという仕組みです。

 

 

日本は国民皆保険ですので、日本国民であれば皆、保険制度が使え、全額のうち1-3割の負担で医療を受けられるようになっています。

 

一方で、アメリカなど皆保険でない国もあり、個人で保険に入っていなければ、高額な医療費を支払う必要が出てきます。

 

日々の給料から半ば知らないうちに健康保険料が天引きされているわけでが、そのおかげで、医療を受ける時には一部負担をすればよいという仕組みが、日本ではなんとか維持されています。

 

 

 

今回の値上がりの理由

昨今、物価高や人件費高騰が原因となり、赤字の医療機関が爆増しています。

 

ざっくりとですが、病院では7割程度、診療所では4割程度が赤字経営になっています。

 

 

当然、これが続くと潰れるわけです。

 

これではさすがにまずいということで、主に物価高や人件費高騰を補填するという目的で、全体で約3%ほど、診療報酬の値上げに踏み切られました。

 

 

診療報酬が値上げになるのは実に12年ぶりです。

 

さて、冒頭でも言及しましたが、訪問診療は、外来通院に比べて何倍もの費用が必要です。

 

訪問診療を受けている患者さんにおいては、たとえ1割負担でも、月々の負担はそれなりのものです。

 

訪問診療はどういう料金形態で成り立っているのか、解説していきます。

 

 

訪問診療の料金形態

わかりやすいように今回は、月2回の訪問診療を自宅受けている患者さんで、臨時の対応がなかった月を例に説明します。

 

まず訪問診療においては、次の3つの料金が柱となっています。

 

訪問診療料

在宅時医学総合管理料

居宅療養管理指導費

 

①は、自宅や施設へ出張して診察しますよという報酬項目で、診察の都度かかるものです。現状では888点です。

 

①と一緒に、ベースアップ評価料(医療従事者の賃金の引き上げを目的として、2024年に新設された報酬項目)が算定され、現状では28点です。

 

②は、計画的な訪問診療と自宅(施設)での総合的な医学管理を行うという報酬項目で、毎月1回算定されるものです。

 

②は、在宅医療を行う医療機関のランク(診療体制の充実度)によって点数(料金)が異なります。

 

A:病院が提供するもの(4,485点

B:診療所が提供し、24時間の往診体制あり、常勤医3名以上、夜間休日に専任の連絡担当者あり(4,085点

C:診療所が提供し、24時間の往診体制あり(3,685点

D:診療所が提供し、24時間の往診体制なし(2,735点

 

このほか、以下3つが毎月1回ずつ加わることが多いです。

 

包括的支援加算(要介護3以上 or 重度の認知症 or 訪問看護ありの場合、150点

訪問看護指示料(訪問看護ありの場合、300点

在宅緩和ケア充実加算(Bかつ、緩和ケアや看取りの実績等要件満たす場合、400点

 

一般的には診療所(クリニック)が提供する訪問診療のことが多く、診療所の数としてはCがBより少し多い、という実態のようです。

 

当院のようにDの形態は多くはないでしょう。

 

③は介護保険の範疇で、1回あたり299単位、診察のたびに算定されるので、月に2回(まで)算定されます。

 

1単位10円で、介護保険も1割負担なら、1回あたり299円の自己負担、となります。

 

 

訪問医療機関のランクによる料金の違い

表にして比較してみましょう。

 

三郷院の場合はベースアップ評価料を算定していなかったり、患者さんによっては包括的支援加算や訪問看護指示料がなかったりしますので、最低料金というわけではなく、あくまで平均的な目安です。

 

まず、5月末までのものがこちらです。

 

 

いずれも、イレギュラーな対応が全くなかった場合のシミュレーションですが、体制や実績のしっかりしているBのような医療機関だと1割負担でも月々7,300円ほど、当院では月々5,600円ほどと、毎月1,700円ほどの差額となっています。

 

6月からは、このように変わります。

 

 

当院のDと、Cは、1割負担の場合で月々100円ほど値上がりします。

 

CとDの差額は今後も変わりないものの、Bはさらに値上がりすることがわかります。

 

これによってBと当院との差額は、月々2,100円ほどに開きます。

 

2割負担の方も少なくありませんが、その場合は特に、料金の差が顕著に見えます。

 

5月中には、6月からいくらぐらい変わるか、ご利用の患者さんには文書でご案内予定です。

 

 

必要な在宅医療を、無理のない費用で

他人(他診療所)と比較してもしかたのない部分はありますが、当院としては、毎月のようにお看取りの対応をしていますし、麻薬や在宅酸素を含む緩和ケアの経験・実績も十分にあります。

 

点滴指示尿カテ胃瘻中心静脈栄養褥瘡処置インスリン血糖測定膝ヒアルロン酸注射など、基本的には何から何までお引き受けしています。

 

24時間の往診体制さえ確保すれば、さら上位ランクの点数で算定することもできますが、それによって患者さんの費用負担がこれだけ上がってしまうというのは全くもって本意ではありません。

 

中には、いくらお金がかかっても構わないから、万全な体制で、夜間休日を含めいつでもすぐに駆けつけてくれるような医療機関に担当して欲しいという患者さんもいるでしょう。

 

 

その気持ちはよくわかりますし、そういう方はより体制の充実した医療機関を選ばれるといいと思います。

 

しかし、CやBの訪問診療では、臨時の対応がなかった月の料金がそもそも高い上に、臨時の対応があった際、都度かかってくる料金がさらに高いのです。

 

休日に往診を頼んだら、専門外の先生が来て、お腹を触って大丈夫だとだけ言って帰ったとか、よくあるケースと思います。

 

ほぼ何もしてもらわなかったのに、来てもらったというだけで結構な料金が請求されます。

 

それは本当に必要な医療費でしょうか?

 

訪問診療を受け始めるときには、ケアマネージャーさんや病院が選んでくれることが多いので、患者さんやご家族自身がそこまで比較してから決めることは難しいと思いますが、医療機関ごとにこういう体制や料金の違いがあるんだということは知っておいて損はないと思います。

 

 

最後に

今回の診療報酬改定で、在宅医療の診療費も、特に体制の充実した医療機関で訪問診療を受けている場合、診療費がそれなりに値上がりすることになりました。

 

当院では、1割負担・月2回・自宅での訪問診療の場合、

 

5月末まで:5,665円/月

6月から:5,773円/月

 

となり、108円/月の最低限の値上がりとなります。

 

 

夜間休日の往診体制はなくていいから、少しでも費用を抑えたいという患者さんには当院のような選択肢もぜひ検討してみてはいかがでしょうか(当院は夜間休日に往診はしていませんが、電話対応は常時行っています。)

 

それでは、また。

 

 

 

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当院は、松戸市を中心に訪問診療・在宅医療を行っています。

ご本人・ご家族・支援者の方からのご相談は、お電話・メールで受け付けています。

ご相談のみでもお気軽にどうぞ。

TEL:047-707-3456

E-mail:shinryo@machinaka.clinic

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