腎臓が悪くなると、どうなる?
こんにちは。
今回は久しぶりに腎臓についてのコラムです。
なんとなく体がだるい、足がむくむ…。
そんな不調、もしかしたら腎臓からのサインかもしれません。
腎不全は気づかないうちに進むことが多い病気です。
肝腎要の腎臓が悪くなると身体にどんな不調が起こるのか?お話していきます。

腎臓の役割
腎臓は、体の「フィルター」のような役割をして、血液をきれいにしたり、余分な水分や老廃物を尿として排出したりする役割があり、腰のあたりに左右に1つずつある生命維持に欠かせない臓器です。

腎臓の働きを簡単にまとめると、以下のようになります。
1. 血液をきれいにする(老廃物の除去)
2. 水分・塩分のバランスを保つ
3. 血圧を適切な値に調整する
4. 骨を健康に保つ
5. 血液をつくるホルモンを出す

腎不全の種類
腎臓の働きが大きく低下して、うまく機能しなくなった状態のことを「腎不全」と言います。
程度の差はあれ、先ほどの1〜5の役割が十分に果たせなくなります。

腎不全には大きく急性腎不全と慢性腎不全(慢性腎臓病)があります。
急性腎不全は急に腎臓の機能が低下した状態で、尿路結石や脱水、薬の副作用、全身状態の悪化などが原因で起こります。

原因を取り除けば回復することもあります。
一方、慢性腎不全は長い時間をかけて徐々に腎臓の働きが悪くなった状態で、回復は困難です。
慢性腎不全の診断
以下のいずれかの状態が3か月以上持続していると、「慢性腎不全」と診断されます。
1. 腎機能の低下が続く
血液検査でわかる「eGFR(推算糸球体濾過量)」という値があります。
これは、 腎臓がどれくらい血液をきれいにしているかを表す指標です。
腎機能の低下はeGFRが60未満(正常は90以上)の状態を言います。
2. 腎障害の指標がある
タンパク尿が続いている、腎臓が小さい、腎臓の形が悪いなど、尿検査や画像検査で腎臓が痛んでいると判断された状態を言います。

慢性腎不全の原因
日本国内の慢性腎不全患者数は約1,480万人と言われ、これは成人の約7〜8人に1人にあたります。
慢性腎不全になる原因第1位は糖尿病性腎症で、全体の約40%です。
2位が慢性糸球体腎炎(23%)、3位が高血圧(15%)と続きます。
遺伝や薬剤性、原因が不明な場合も約20%ほどあります。
近年の傾向としては、生活習慣病である糖尿病、高血圧による慢性腎不全の割合が増えています。
一方、慢性糸球体腎炎は健診による早期発見が奏功し、割合が減ってきています。
生活習慣病(糖尿病・高血圧)をいかに悪くしないかが、慢性腎不全発症・進行の鍵となると言えます。
慢性腎不全がさらに進むと〜末期腎不全の症状〜
eGFRが15を切った状態を「末期腎不全(まっきじんふぜん)」といいます。
多少腎臓が悪い程度であれば、あまり目立った症状がないこともありますが、末期腎不全に近づいてくると、さまざまな症状が出てくるようになります。
人によって症状の程度はさまざまですが、一般的に以下のような症状が起こるようになり、全身に悪影響が出ます。
| 全身症状 | だるい・疲れやすい、食欲がない、体重減少 |
| 神経系 | 頭がぼーっとする、集中できない、眠れない、手足のしびれ |
| 水分貯留 | むくみ、息苦しさ(肺に水がたまる) |
| 皮膚 | かゆみ、皮膚の乾燥・変色 |
| 循環器 | 高血圧、心不全、不整脈 |
| 血液 | 貧血(息切れ・めまい) |
| 胃腸 | 吐き気・嘔吐、便秘 |
| その他 | 尿の量が減る、尿の色が濃くなる |

放置するとどうなるか?
健診での異常から目を背けたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、腎不全を治療せず放置すると、最終的には以下のような、生死に直結する不具合がおこってきます。
1. 尿毒症(体に毒素がたまり、命に関わる)
2. 心不全、肺水腫(肺に水がたまる)
3. 意識障害、けいれん
ここまでくると、救命のためには緊急で腎代替療法(いわゆる血液透析)を実施しなくてはなりません。

腎移植を含む腎代替療法の種類や選び方、最近考え方が普及してきた保存的腎臓療法などについては次回以降でお話ししたいと思います。
いかがでしたでしょうか?
自分の腎機能がどのくらいなのか、一度確認してみてもいいと思います。
歳を重ねていろんな機能が落ちてくることがあります。
ご心配な方は一度かかりつけ医へご相談ください。
それでは、また。
