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大学病院の役割って?

[2025.10.31]

こんにちは。

 

前回投稿から1ヶ月あきましたが、今回は、大学病院の役割についてお話しします。

 

大学病院というと、「医療の最後の砦」などと言われることがありますが、

 

・実際のところ何をしている病院なの?

 

・普通の病院と何が違うの?

 

・最先端の医療が受けられるなら最初から行ったらいいじゃん?

 

といった疑問に答えていこうと思います。

 

大病院のイラスト

 

 

「病院」の定義と分類

まずはじめに、「医療機関」や「病院」の分類について解説します。

 

医療機関は大きく分けて、診療所(=クリニック)と病院の2つに分類できます。

 

診療所は入院機能の有無により無床と有床に分けられます(ちなみに当院は無床診療所です。)

 

病室のイラスト(背景素材)

 

入院ベッドが19床以下なら有床診療所、20床以上あれば「病院」という定義になります。

 

そして病院は、慢性期病院急性期病院とに分かれます。

 

頻繁な検査や高度な治療介入が不要なものの、入院が必要な患者さんは慢性期病院に入院することが多く、急な病態変化があり頻繁な検査や高度な治療を要する場合は急性期病院へ入院します。

 

 

みなさんが「病院」と聞いて思いつくのは後者の「急性期病院」のことと思います。

 

脳神経外科病院や、精神病院など、単一診療科の小規模な病院も多々ありますが、一般的に「病院」と聞いて想起するのは総合病院のことでしょう。

 

総合病院とは、複数の診療科がある病院を指し、さまざまな病気を一つの病院での診療で完結できることが強みです。

 

そして総合病院には、「市中病院」と「大学病院」とがあります。

 

松戸でいう新東京病院や、千葉西総合病院、松戸市立総合医療センターは総合病院であり、市中病院です。

 

松戸市内にある大学病院は、日本大学松戸歯学部付属病院が唯一と思います(歯科診療がメインです。)

 

市中病院には慢性期病院、急性期病院いずれもありますが、大学病院は急性期病院です。

 

 

市中総合病院と大学病院の違い

いずれも、20床をはるかに超える入院病床を持ち、複数の診療科がある総合病院であり、高度な医療を提供する急性期病院です。

 

一番の違いはというと、大学病院は、研究機関であり教育機関であることです。

 

 

研究機関

そのままですが、大学病院は、医学研究を行う施設であるということです。

 

コロナワクチンが癌を抑制するか否かの研究」とか、「珍しい病気を集めてその特徴を掴み、治療法について研究する」とか、「X線やCT画像をAIに読み取らせて、肺炎やがんなどを自動で見つける仕組みを開発する研究」などというように、多岐にわたる分野、さまざまな研究室において、医療を進歩させるべく日々いろんな研究が行われています。

 

研究室にこもって顕微鏡で細胞の研究をする人もいれば、医療の現場で患者さんに協力してもらって行う研究もあります。

 

ゴーグルとマスクを付けて実験をする人のイラスト(女性)

 

「実験台」というと大きな語弊がありますが、患者さんに協力してもらい、実際のデータを使って新しい治療法、より良い治療法を作り出すのに大いに役に立っているのです。

 

市中病院でも研究が行われないことはないですが、数としては大学病院が圧倒的です。

 

こうした研究機関がなければ医療は一向に進歩せず、今までわかっていることをただただ実践するだけになってしまいます。

 

例えば5年前のコロナ流行のとき、研究に基づいて、抗ウイルス薬やコロナワクチンが作り出されたのはそういうことです。

 

コロナウイルスのワクチンのイラスト

 

 

教育機関

そして大学病院は、教育機関でもあります。

 

医学部附属病院、歯学部附属病院などといいますね。

 

大学の医学部・歯学部の学生として、大学生(医学生ないし歯学部生)がいます。

 

試験を受ける人のイラスト(男性)

 

6年間の大学教育を経て、国家試験に合格すると医師になれますが、医師になってもまだ半人前の研修医です。

 

2年間の初期研修医、3年間の後期研修医が終わって、やっと一人前の医師になります。

 

しかし5年間の研修医が終わったからといって、なんでも知っていてなんでも一人でできるわけではありません。

 

医学、医療の分野はとにかく幅広く、奥が深いです。

 

数年間医者をやっただけでは、専門分野でもまだまだ知らないことだらけなのです。

 

いえ、脅す意図はなく、普段の一般の診療はちゃんとできますので、安心してください。

 

ただ、先に述べたように日々医学は進歩しますし、新しい薬や治療法もどんどん確立されていきます。

 

医師は何歳になっても日々勉強し、知識や技能をアップデートしていく必要があります。

 

そうした「教育」をリードするのが大学病院の大きな役割です。

 

最新の医学知見・研究に基づき、専門医・指導医・上級医が、研修医や学生の指導・教育にあたり、将来の日本の医療を進歩させていく人材=医師を育成するシステムが洗練されているというわけです。

 

市中病院でも、一般社会と同様に、後輩・部下は先輩・上司に教えてもらいながら仕事ができるようになるわけですが、学生はいませんし、大学病院のほうが教育システムが整備され教育に特化しています。

 

逆に言うと、市中病院は診療に特化した病院である、とも言えます。

 

 

どういう時に大学病院へ?

日本においては、最先端の医療を受けることができるという意味では市中病院でも大学病院でもそう大きくは変わらないかもしれません。

 

ただ、大学病院で診断がつかなかった病気が、市中病院で診断がついた、ということはあまりないでしょう。

 

それが大学病院が「最後の砦」と言われる所以かもしれません。

 

大学病院に行けば、今日本で受けられる最高レベルの医療が受けられるのは間違いないかと思います。

 

とはいえ、風邪をひいて大学病院に行きますか?

 

行かないですよね。

 

なぜか?

 

診療所で十分だからです。

 

 

もし風邪症状が、診療所で出された薬で1ヶ月2ヶ月治らなければ、総合病院に行き、検査をしてももし診断がつかないようなら、大学病院に行く、という流れでしょう。

 

一般の総合病院ですら受診するのに診療所からの紹介状が必要だったりしますし、呼ばれるまで相当待ちます。

 

基本的には、最初から大学病院に行く必要はなく、診断がつかなかったり、困っている症状が治らなかったりする場合に、診療所から総合病院、総合病院から大学病院へと受診先が変わっていくのです。

 

それも一般的には患者さんの希望ではなく、担当した医師から、「これは〇〇病院に行ったほうがいいでしょう、紹介状書きますから」と言われることがほとんどでしょう。

 

紹介状のイラスト

 

病状、病気、病態に応じてどのレベルの医療機関で診療を受けたらいいか、あらかた決まっているというわけで、そういう意味では、大学病院はありふれた病気を治療する場所ではないということです。

 

 

研究・教育への協力

本当に困った時の大学病院であるということはわかっていただけたかと思います。

 

万が一のときは、みてくれた医師の指示に従い、大学病院へ行けばいいわけです。

 

日本最高レベルの医療が受けられるという安心がある一方で、話を戻しますが、大学病院は研究機関であり教育機関です。

 

最先端の医療が保証されているわけですが、医学研究や、学生・研修医の教育に協力を求められることがあります。

 

もし大学病院へ受診することがあれば、そういう話聞いたことがあったなと一度思い出して欲しいです。

 

大学病院における研究や教育があるからこそ、日本の医療が進歩していっているのです。

 

何も自分から、協力できる研究はないのか、学生に処置をさせてあげたい、などと言わなくて大丈夫です。

 

求められたら、気持ちよく応じてあげるようにして欲しい、ということです。

 

明らかに害になることが分かっていて、有害な治療を受けさせられるなんてことはありませんので安心してください。

 

学生や研修医も、指導医のもと、医学実習や研修医としての診療を行っていますので、こちらも安心してください。

 

 

Take Home Message

大学病院とはどういうところなのか?何をするところなのか?解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

まとめると、今回のポイントは次の3つです。

 

 

・大学病院は、診療を行う病院であると同時に、研究・教育機関である

 

・日本の医療は、研究と教育のもと、質が担保され、日々進歩している

 

・そのためには研究・教育への患者さんの協力が必要不可欠である

 

 

大学病院にお世話になることはそうないかもしれませんが、何かのときの参考になりましたら。

 

 

それでは、また。

 

 

 

 

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