「先生が健康のために気をつけていることは何ですか?」
今回は題名の通りで、以前、患者さんに聞かれたことです。
正直言って、「医者だから元気に長生きできる」とは限りません。
医者の不養生という言葉があります。
「自分は医者だから大丈夫」という根拠不明の自信や、長時間労働によって体調管理ができていない医者も少なくないはずです。
しかし、目の前の患者さんがこれから少しでも元気に長生きするために何をすべきで何をすべきでないか、はある程度理解・把握しているつもりです。
訪問診療を受ける患者さんは、あと10年・20年と生きることは難しいかもしれません。
健康に最大限気をつかうべきかというと、必ずしもそうでもないとは思います。
しかしそれが苦にならず、無理ない範囲で健康に気をつけよう、生きているうちは元気・健康でいたい、と思うなら、参考にしてもらいたいなと思い、自分自身が将来のために気をつけていることを紹介していきます。
食事
・脂質過多にならないよう、揚げ物など脂っこいものは少量にする
・間食をしない
・プロテインを活用し、タンパク質はやや多めに(後述の筋量維持のため)
・ジュースを飲まない
・玄米を活用
自分が気をつけているというか、行っているのはこのあたりになります。
もともと揚げ物やお菓子はたいして好きではなく、出てきたら、あるいはもらったら食べますが、自分で買ってまで食べることはありません。
そういったものをあまり食べたいと思わないのは生まれつきの何かなのかもしれません。
また、1日1食にするとか、眠気防止のために朝と昼は炭水化物を摂らないとか、そんな極端なことはしていません。
腹が減っては戦(いくさ=診療)はできません。
若いころからの極端な食事制限は、高齢になってから筋肉が落ちてフレイル(虚弱)を招く可能性があり、勧められません。
ちなみにジュースもほとんど飲みません(糖入りの飲み物はジュースと一緒です)。
後述しますが、ジュース=糖水は血糖値が急激に上がりやすい上、歯にもよくない(虫歯になりやすい)からです。
「タンパク質を摂り過ぎると腎臓に負担がかかる」のは半分事実ですが、腎臓に病気(腎臓病・腎機能低下)がある場合を除き、1日に1〜2回プロテインを追加したぐらいでは何も起こりません。
そのほか、純白米は血糖値が上がりやすいため、家で食べるご飯には玄米を半分ほど混ぜています。
運動
週に3回、ジムに行って、1回あたり1時間弱、筋トレをするようにしています。
運動はやりすぎも健康には逆効果のようですが、運動しないのは一番身体に悪いです。
ジョギングやウォーキングなど有酸素運動でもいいのですが、多少なりとも筋肉量を維持し、良い代謝を維持しておくことが肝要だと考えています。
年をとってから運動しなくなると、筋量はあっという間に落ちてしまいます。
そして、年をとってから筋肉をつけるのはなかなかに大変です。
今のうちから筋肉量の貯金を作っておいたほうがいいと思っています。
とはいえ、筋トレである必要はなく、定期的な「運動習慣をつけておく」ことが何より大切です。
自分は元来スポーツが好きなので、年をとってからも続けられるような身体作りを今のうちからしておきたいなと思っています。
科学的な話をすると、運動は、死亡(リスク低下)や寿命(延長)との関連が強く示唆されているほか、心血管疾患・脳卒中・高血圧・糖尿病・一部のがんの罹患リスクを下げることもわかっています。
高齢になってからだと、骨密度の低下を抑えたり、転倒予防に寄与したりと、いいことずくめです。
睡眠
睡眠も非常に重要です。
Apple Watchで睡眠計測をしていますが、毎日7時間ほど、睡眠をとるようにしています。
睡眠と健康についてはこれまでさまざまな研究がなされてきました。
死亡・心血管イベント・糖尿病・肥満・うつ病や将来の認知症などとの関連が調べられてきましたが、結論として「6〜8時間程度の睡眠」が最適であることがわかっています。
仕事が多忙で毎日4〜5時間睡眠というのは身体によくないですし、かといって寝過ぎも良い影響はありません。
「同じ時刻に寝起きする」規則正しい生活が大切だということも言われています。
規則正しい睡眠リズムを刻めないという意味で、寝溜めをするというのも健康に良いわけではないことがわかっています。
平日の寝不足を土日に寝溜めで埋めることはできないのです。
よくも悪くも自分は、土日も子どもの声・足音で起こされるので、遅くまで寝ていることはありません。
夕方以降のコーヒー(カフェイン)を控えたり、夜に白い強い光を浴びないように、家の中の照明の色温度や明るさを工夫したりもしています。
喫煙
喫煙は、しません。
慢性閉塞性肺疾患(COPD/たばこが主な原因の肺の病気)や肺癌の発症率が上がることや、百害あって一利なしということが明確に分かっているため、です。
今の若い世代は、昔に比べて喫煙しない人が増えていますね。
加熱式など新しいタバコも出てきていますが、「健康に影響がない」といえるタバコは存在しません。
口腔ケア
以前は朝と晩に普通に歯磨きをするだけでしたが、最近は細いブラシも使って、普通の歯ブラシで届きづらい歯と歯の間の隙間を磨きやすくしたり、フロスも毎日使うようにしています。
それから歯科医院に年3回ほど通い、クリーニングをしてもらっています。
もし虫歯が見つかっても、年に3回通院していれば早期に発見でき、早期に治療してもらえます。
年をとって歯がボロボロになったり自分の歯が少なくなったりすると、食事を美味しく楽しめなくなります。
折れた歯茎から全身の細菌感染をきたすこともあります。
1本1本の歯はとても価値のあるもので、特に手間をかけて、長年大事にしていきたいと思っています。
健康のために、医師である自分が普段気をつけていること、心がけていることなどを文字におこしてみました。
いかがでしたでしょうか?
食事、運動、睡眠、口腔ケア、どれも大事な要素だと思います。
あくまでも一個人としてやっていることですので、万人にお勧めできる・合うとは限りませんが、やってみようかなと思ったものがあれば、ぜひ試してみてください。
何事も、継続してこそ形になるということもお忘れなく。
それでは、また。
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